住宅解体現場から

先日のエントリー「素晴らしい住宅」を紹介しましたが、とうとう解体工事が始まってしまい、屋根瓦や床の間など新しく建てられる住宅に使われる材料を手仕事で解体するという、手間の掛かる作業が進められています。
この住宅、昭和初期に建てられたもので、随所に当時の職人達の高い技術力を垣間見ることができます。少し手を加えることで十分使える建築素材ばかりなのが大変な驚きで、こういった建物の解体現場に立ち会うことは、建築日和にとってとても良い勉強にもなるのです。
本来ならば、建物まるごと譲り受けたいくらいなのですが、今回は取り外しが容易な板戸や障子そして一部の板材を頂くことにしました。
通常、解体木材は再生材として生まれ変わるわけですが、私たちは頂いた素材について様々な使い道を考え、復活の方法を探ろうとしているわけです。

縁側を緩衝帯とし、外部と内部を仕切る一枚のスクリーン。和紙の吸湿性能や温度調節機能を巧みに取り入れた「明かり障子」は、現代建築において重要なデザインソースとなっていることに頷けるし、再認識してしまいました。桟の繊細さやプロポーションなど「綺麗だな」って感じて、今後ますます建築に取り入れられていくような気がしました。
それにしても、縁甲板(縁側の床に貼ってある檜の板材)を鋸で切断しているときに、プ~ンと檜の良い香りがしてきたのにはビックリしました。まるでタイムカプセルみたいですね。木って、すごくいいですよ。

-アーキテクト

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